› 金沢大学文芸部のブログ › 作品紹介 › 26日の『風桶』

2019年05月07日

26日の『風桶』

『愛の大きさに気づけば』
 ↓
僕は急に彼女に会いたくなってカレンダーに丸をつける
 ↓
ペンがこすれる音がここちよくて
 ↓
カレンダーのいたるところに九をつけた
 ↓
5月は全て9日にしてやった
 ↓
92019年95月9日、外へ出てみると、そこは宇宙空間だった
 ↓
ただ、自分はカレンダーに落書きをしていただけなのに、と驚いた
 ↓
宇宙空間には「9」の文字が至る所にぷかぷかと浮かんでいる
 ↓
突然思い出す、 9=3² と 3+2=5
 ↓
少しずつ忘れていった、大切な何か
 ↓
“この文章の4行目、14文字目の『九』” に一画足す
 ↓
宇宙空間のはるかかなたに飛んでいったペンに手を伸ばす
 ↓
ペンを掴み、斜めに線を引く
 ↓
気づけば丸だらけのカレンダーがそこにあった
 ↓
『全て元通り』


というわけで、『愛の大きさに気づけば』→『全て元通り』 でした。

面白かった方はコメント欄に感想をください、部員が喜びます。


同じカテゴリー(作品紹介)の記事
 表グラフ   題名『夏の図書館』 場所「動物園」 季節「梅雨」 (2018-06-13 12:00)
 三題噺2 〈黄色、雷、ホットドッグ〉 (2018-06-13 12:00)
 三題噺1 お題〈黄色、雷、ホットドッグ〉 (2018-06-13 12:00)
 一行リレー小説 (2018-05-23 12:00)
 路上の生意気 糟谷浩平 (2015-11-10 14:32)
 桐箱入りの梨  仮名石洋平 (2015-04-05 10:07)

Posted by 金沢大学文芸部 at 10:57│Comments(0)作品紹介
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
26日の『風桶』
    コメント(0)