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2019年04月20日

4月12日のリレー小説

 紙コップに静脈血が満たされた。おそらくB型である。一つ訂正させてもらうが、俺は断じて吸血鬼などではない。
 もしも銀の弾をうちこまれたり、胸をくいでつらぬかれたりすると死ぬっていう点においては共通している。
 生活リズムが夜型なだけだ。
 昼夜が逆転しかけた生活――それは僕の職業に起因している。
 カエル散布員の夜は収穫から始まる。ビニールハウスの中、黒いシートを被った土から顔をのぞかせているカエルたちを収穫するのだ。
 収穫されたカエルを絞り、紙コップに溜まった液体を、依頼を受けた家の玄関先に散布する。それが僕の仕事だ。人間とはたいてい、自分の嫌いな奴の家にカエル汁をまきたくなるらしい。しかし、今日向かう家は依頼があって行くのではない。
 くそっ、「ずっと一緒にいようね♡」って言ってたじゃねぇか。付き合ってまだ半年なのに、もう浮気かよ。
 僕はいつも以上に大量のカエル汁をバケツにため、彼女の家へと向かった。

                       後編に続く


中の人の個人的なコメント
 続編はどこですか。そしてカエル散布員にはどうやったらなれますか。
 個人的にシュールで結構好きです。


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Posted by 金沢大学文芸部 at 00:52│Comments(0)
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