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2014年08月05日

轟から一作品

2014年6月の轟きから、一作品を作品紹介にUPしました。
ご自由にお読みください。  

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2014年08月05日

春の煩雑  岬 奈未

 二年生に進級したときから、酷く閉鎖的なクラスだと感じていた。前年度のクラスや部活のグループで固まり、他のグループとの交流は浅い。十七歳という年齢にしては異質への許容範囲が狭く、自分たちの肌に合わない者はそれとなく隅に追いやろうとする。
 居心地はあまり良くなかった。ただ、同じクラスには翔子がいたから、まさかユキミに被害が及ぶことになるとは思ってもみなかった。
 自分の席に座って本を読むユキミの前には、なぜか一人のクラスメイトがいる。閉鎖的なクラスのひずみが押し寄せるかのように、矢口実桜はやって来て、さほど仲良くもないユキミに話しかけた。
「カレーを嫌いな人なんていない」
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2014年08月05日

焔59号を作品紹介にのせました

焔59号を作品紹介にupしました。
ご自由にお読みください。  

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2014年08月05日

毒になりたがった彼女  珠樹政樹


〈綺麗な花には毒がある〉

 簡単に物語を始めたいのなら、必要なのはこんなものだ。人間を――別に全世界ってわけじゃなくていいけど、とりあえず周りの人達を――2等分すること。そして、その線引きについて考えてみること。問題が肌の色になれば戦争が勃発するし、貧富の差になれば格差論が書ける。
 更にひねりが欲しいなら、その区別をまた2等分、つまり全体を4等分してやればいい。私の世界なんてそれでだいたい充分で、明るい男子と明るい女子、暗い男子と暗い女子、その4種類の人間で中学生社会はできあがり。あえて付け加えるなら、良い奴か悪い奴かって情報くらいだろう。明るくて性格悪い男子と、暗いけど心の美しい女子の組み合わせなら、まあ、それなりのロマンスはできあがる。誰が勝ち組かなんて皆知っているんだから、登場人物のバリエは8パターンあればそれでよし、みたいな。

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2014年08月05日

白昼無  佐久田 尚

 話し声、笑い声、足音、よくわからない叫び声。午後四時丁度、喧騒に満ちた五限直後の校舎。校庭では早くも運動部が走りまわっている。テレポーテーションでも使ったのだろう。混雑した昇降口を抜け、校舎を出ると、途端、西日が照り付ける。眩しさに僕は思わず目を細める。十月の西の空は赤く染まり、東の空にはまだ澄んだ青さが残っている。自転車置き場の人だかりを横目に見ながら校門を出る。夕日の降り注ぐ背中が暖かい。携帯とにらめっこをする女子生徒を乗せた自動車、騒がしい自転車の一団、頼もしい掛け声を響き渡らせて駆けていくラグビー部が次々に僕を追い越して行く。そんなせわしなさに負けないように僕は、いつも通りのんびり歩く。
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2014年08月05日

一途であるということ  古城 昇

                *
 朝、目が覚めると、私の腹を枕代わりにするように彼女が横になっていた。私が体を起こそうとすると、それに気付いた彼女は軽く首をかしげて、私を動かすまいと自身の体をすり寄せてくる。軽く頭をなでてやると、今度は嫌がって布団から出ていく。しばらくすると、また側にやってきては、朝ご飯を作って欲しいと懇願してくるのだ。いじらしくて愛おしい彼女に、私は数年前から虜にされている。


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2014年08月05日

ダレノモノ?  五十七

『判別』
 時計を確認すると、もう八時を回っていた。あの子が遅れるのはいつものことなので、別に気にはしない。それよりも気になるのは、昨日の昼ごろにあの子から届いたメールの内容だ。あの子らしいと言えばあの子らしいが、そんなもの落とすなよ、とは思う。
「ごめーん、おまたせー」
 そんなことを考えていると、あの子が右手を振りながら走って来た。
「おい、ただでさえセーラー服にリュックサックなんて目立つ格好なのにそんな手を振るんじゃねぇ。なおさら目立つだろう」
 近づいてくるあの子に向けて言った。あの子は自分の言動がとにかく目を引くことに気が付いていないのだ。あの子は私のそばに駆け寄ると、何の屈託もない笑顔を見せた。相も変わらず能天気だ。
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2014年08月05日

焼き鳥探偵刑事風  ベイちゃん先生

犬が幼女に誘拐される事件

 十一月十一日、レッドブル駅前のレオパレスの一室で、焼き鳥探偵刑事風はチラシ配りの為に外に出ようと刑事風のスーツを着た。玄関の扉を開けると雨だった。雨だと外に出る気にならない。それは刑事風に限った話ではない。歩行者が少ない。歩いている人も傘を差している。手に持ったチラシはA4用紙五百枚ほどだ。濡れるに決まっている。適当な対策をしたところで端っこがフニャフニャになる。困った。と刑事風は思った。
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2014年08月05日

授業中は窓の外を見てます  沖合 里歩

精液を飲んだ後にはワインより炭酸水が飲みたくなるの

少年の鼻緒によって開かれたいつもはぴたと閉じられたそこ

初恋の人にゲイだと打ち明けて返った言葉「病的なもの!?」

あこがれるお前はどこに住んでいるあのスカートをめくってみたい

角砂糖つまんだ刹那通る君過ぎるころにはべたべたな指

2mのプレパラートを作ってくれ少年を観察するために

ワイシャツが肩の口までまくられた日焼けの腕にセミが鳴いてる

マジパンを水に溶かして飲む味は精液の味にきっと似ている

登校を見送りながら考える首を絞めたらどんな目するか

鳴り続けるケータイ眠り続ける君におうあざみ生き続ける俺

ろうそくの垂れるザクロを骸骨が食べていいかと聞いてくるので

吹き抜ける風の涼しさ打ち寄せる波の優しさ私は阿修羅

サッカリンの夜は来ようふさふさの雪のベッドに瞳閉じれば

落ちたいと願う自分が怖くって窓枠にぎり街を眺める

  


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2014年08月05日

ねえ、ねえ、ねえったら  沖合 里歩

目に見えるものすべてきらきらしてる ああ私またすごく生きたい

サッカリンみたいな眠りむさぼって落っこちて行くあたしと単位

借り切ったプールで二人泳ぎたい私と僕が溶け出て混ざる

浴室の鏡に首のない体 にじむ灯りが胸に落ちてる

めいっぱい腕を伸ばして撮ったからみんな愛して細切れの顔

血を流さない少年に生まれたい これで2ヶ月生理が来ない

むかしむかし切った小指をもう一度切るために研ぎ音を聞いてる

ちゃんと噛むあなたの肉にやき過ぎて少し余計に焦げ目が残る

夕闇の小舟に架ける紅色の梯子みたいね手首を伸ばす

ほら見てよあなたの白い体液が赤く変わって流れ出すのを

汗を舐めていれば馬鹿でいれるから穴のある人形でいさせて

歌詞のない曲を流して跳ねようよ 酒と薬と血! 酒と薬と血!

ははははははははははははははははははははははははははははははは

あたしのうでにおっぱいにだいだいのもうどくきのこはえてきてるの

やだやだやだ 一生私を覚えてくれるんじゃなきゃ私を見ないで!

拳銃で脳天をぶち抜いたってそんなの使い古しの茶番

空を見て落ちてくる鳥などいないみんなもう死んでしまったんだ
  


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